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VOL25 大損事故での修理と協定

 この「くくり」を使用し、運用するに当たって、難点と言うか無理があります。
ですから運用や、保険会社からの提示に当たっては、十分理解や検証を行ってください。
理由としては、

1. 4点固定以上の修正機での作業
この修正機での固定は、基本的には、何も問題がありません。その土台にある、指数に掛けるレート(指数対応単価)を設定する、工場概要の時点で、修正機の保有は条件に入っていません。
唯一ポートパワーと、旧来何十年も使っているドーザーのみ、保有条件に入っています。ですから本来、償却経費に入っていなければならない、大変高価な工具がレートの算出条件に反映されていないのです。つまり高額な道具を使用しても、工賃の構成としては、人件費と、その他消耗工具程度の料金にしか、ならないはずです。
2. 損傷車両の判断
損傷車両の判断とは、かなりあいまいな部分になってしまいます。
外見上軽度な損傷でも、外板部品を取り外してみたら、大きな損傷であったり、またその逆も、えてしてありうることです。ですから使用の判断は、見積もり時の、勘や経験での提示になってしまいます。
これは、使用しない場合での料金提示でも、同じことかもしれません。ですから損傷車両の判断を、事前に十分する必要があります。
3. 車両の変化(進化)による固定の変化
おそらく平成10年以降からの、国産車両は軽、乗用を問わず新衝突基準の新しい構造になっているはずです。この車両は、各社色々な名称がありますが、大体同じような構造で、事故での入力がありそうな骨格部分は、柔らかく、薄くしダメージを吸収するような構造になっており、その先やキャビンを守っている部分の骨格は、鋼のように硬くしなやか鋼鈑を使用しています。
このため、骨格修正を行う作業においては、以前のような、ロッカーパネルでの4点固定のみをする修正機では、固定軸をロッカーパネル部分のみにしてしまい、車両の自重や、引き作業での固定部分の二次損傷を起こしてしまいます。
ですから4点固定以上の部分、例えば足回り部分での取り付けによる、多点固定が必要になります。この部分でも、4点以上の固定と言うあいまいなくくりでは、アバウトすぎてなかなか使用には難しいと思われます。

 結局の所、お金の部分にかかわる、大変重要な部分が、かなりあいまいな条件での運用となり、かなりの割合で摘要されているのが現状だと思われます。
 米国や欧州では、しっかりとしたユニオンなどがあり、毎年適用金額を、州や会社ごとに正確に提示し、塗装はペイントレート、脱着取替はボデーレート、外板鈑金はメタルレート、骨格修正はフレームレート、メカニックはメカレート、など各個々にされ、そのレートの協議後の、正確な運用や提示がされています。日本では、このような細かいくくりはされていないはずです。
 この部分が非常に重要な問題です。率直に言うと、勉強していない弱い立場の工場と、机上のみに提示し、知らんふりをしている保険会社との軋轢、これにつきます。この溝を埋めるために、皆さん色々考えてみませんか?

鈴木 一也 氏(鈴木オートサービス代表)


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