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第20回 トヨタのパーキングアシストシステム
 トヨタ自動車鰍ェ、カローラシリーズ(カローラアクシオ/フィールダー)に採用した駐車支援システムです(写真1)。

写真1.トヨタカローラシリーズには,夜間の車庫入れも容易にできるように補助するインテリジェントパーキングアシストシステムがオプション設定されている。


 インテリジェントパーキングアシストシステム(IPAと略す)と称しています。車庫入れや縦列駐車時に車両が操舵をアシストするもので,バックモニターに表われるメッセージと音声案内が操作をガイドしてくれます。
 ドライバーは,周囲の安全確認とブレーキ操作による速度調整をすると,システムがステアリング操作を支援して駐車をアシストします。


 ●IPAシステムの構成

 IPAシステムは,バックモニターカメラ,IPAコンピュータ,HDDナビゲーションシステム,IPA用超音波センサ,ステアリング角センサ,エンジンコントロールセンサ,スキッドコントロールコンピュータ,電動パワーステアリングコンピュータ,エアコンコンピュータ,ハイトコントロールセンサおよび右フロントスピーカー・ツイータで構成されています(図1)。

 一部の主要部品を説明しておきます。

 @バックモニターカメラは,超広角レンズを用いた画像入力部と小型(1/4インチ)カラーCCDカメラの画像信号出力部で構成されています。撮影した車両後方映像を電気信号に変換してIPAコンピュータに出力します。ただし映像画面はルームミラーで後方を見た場合と合わせるためにカメラからの出力映像自体を反転させています。実際に後方を見た場合と画面上の映像は左右反転した状態で映し出されるので注意が必要です。

 AIPAコンピュータは,CAN通信による車両情報・IG・マルチディスプレイからの信号によってバックモニターカメラのON/OFFを行います。さらにCAN通信によって入力される各コンピュータからの状態信号を基に,各ガイド線を演算した映像をバックモニターカメラからの後方映像に合成してHDDナビゲーションシステム(以下HDDナビ)に出力するとともに各コンピュータに制御信号を出力することでIPAシステムの各制御を行います。

 B車両前部に取り付けられた超音波センサ(図2)は,駐車中の他車両を検出して,その結果を基に認識精度よく駐車空間を推定して目標駐車位置を設定します。構造は,超音波を送受信するマイクロホンのほか,増幅/残響調整/感度調整を行う回路が内蔵されています。マイクロホンは先端に凹部がないフラットタイプで,センサ本体にコネクタを直結した一体構造です。
以下、図をクリックすると大きくなります。


図1.トヨタカローラシリーズにオプション設定されたインテリジェントパーキングアシスト(IPA)システムの構成。


図2.IPAシステムに採用された超音波センサの構造と取付け位置。


 ●IPAシステムの機能

 車両後部に取り付けられたバックモニターカメラの映像に距離目安線・車幅延長線・予想進路線などの各ガイド線を合成してHDDナビのディスプレイ画面上に表示させるとともに案内音声の出力・ステアリングの制御を行うことで,後退操作の補助を行います。

 電源ポジション(IG)ONで,シフトポジションをR(後退)にすることで,IPA画面に移行し(ディスプレイ画面のタッチスイッチでIPA選択時),バックモニターからの車両後方の映像をディスプレイ上に表示します。

 IPAシステムの表示範囲は,自車の状況や路面状況によるほか,バックモニターカメラの範囲に限界があるので,バンパーの両コーナー付近やバンパー下などは表示されません(図3)。なおIPAが機能している場合は,アシストモードON/OFFスイッチ内のインジケータランプが黄色に点灯します。

 またIPAシステムには,@後退時の進路およびガイド線をHDDナビのディスプレイ画面上に表示する“進路表示モード”,A後退時の進路およびガイド線を表示するとともに画面上の表示に合わせてステアリング操作の補助を行う“縦列駐車アシストモード”,B“車庫入れモード”があります。


●進路表示モード
 電源ポジション(IG)ON時にシフトポジションをRにすると,HDDナビのディスプレイ画面上に車両後方映像・各モードスイッチを表示するとともにガイドに必要な各線を合成して画面上に表示します(図4)。

●縦列駐車アシストモード(図5)
 IPAモードの状態で,進路表示モード画面表示中に画面上の「縦列駐車」をタッチすることで縦列駐車アシストモードに移行します。そして,車両後方の映像および縦列駐車に必要な各線を合成して画面上に表示するとともにステアリングの操作を補助することで縦列駐車をアシストします。

 目標駐車位置の設定は,縦列駐車アシストモード選択後,位置設定画面に移行するので,車両後方映像および表示される各ガイド線を参考に画面上の矢印スイッチを操作して行います。この際,目標駐車位置が離れすぎている/近すぎる場合に確定スイッチをタッチすると,「もう少し駐車スペースから(近くから/離れて)開始してください」とメッセージが表示されます。そこで目標駐車位置設定可能な位置まで車両を動かすと,車両停止を促すピープ音が鳴ります。画面の目標駐車枠を見て問題がなければ再確認スイッチをタッチします(図6)。

 その後,画面上の「了解」をタッチすることでシステム作動画面に移行し駐車アシストが行われます。ステアリングに手を添えて後方および周囲の安全を確認し,ブレーキペダルを踏んで速度調整しながら,ゆっくり後退します(図7)。車両が目標駐車位置に入ると,案内音声が放送されて作動は完了です。案内音声は,安全のため目標駐車位置より手前で放送されますので,ステアリングをしっかり握り,ブレーキペダルを踏んで速度調整しながら希望の位置まで後退します。

●車庫入れアシストモード(図8)
 進路表示モード画面表示中に画面上の「車庫入れ」をタッチすることで車庫入れアシストモードに移行します。そして,車両後方の映像および車庫入れに必要な各線を合成して画面上に表示するとともに音声案内・ステアリング操作を補助することで車庫入れのアシストを行います。

 目標駐車位置設定は,車庫入れアシストモード選択後,車両後方映像および表示される各ガイド線を参考に画面上の矢印スイッチを操作して行います(図9)。

 目標駐車位置の確定後の基本的な作動・画面表示内容は,縦列駐車アシストモードと同様です。














図3.IPAシステムの表示範囲。バックモニターカメラの限界や自車の位置などで異なる。


図4.IPAシステムの進路表示モード画面。


図5.IPAシステムの縦列駐車の駐車イメージ。超音波センサによって駐車空間を検出する。


図6.IPAシステムの縦列駐車アシストモード目標駐車位置設定画面。


図7.IPAシステムの縦列駐車アシストモード作動例。


図8.IPAシステムの車庫入れ駐車イメージ。


図9.IPAシステムの車庫入れ目標駐車位置設定画面。作動は縦列駐車と同じ。


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