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 第51回 マツダアクセラのアイドリングストップシステムi-stop
マツダ㈱の基幹車種であるスポーツコンパクト「アクセラ」が、フルモデルチェンジしました。
2003年に初代モデルが発売されたアクセラは、世界中に販売されており、累計200万台の販売台数を記録しています。

 

 

写真1.5ドアハッチバックのマツダアクセラスポーツ。

 ●進化したハイブリッドシステムの特徴

 2代目となる新型アクセラは、開発コンセプトを“再びカスタマーの期待を超える”として、従来から評価の高いスポ-ティな走りとスタイリングを継承しながら進化させています(写真1)。
 加えて、先進の環境・安全性能も実現しています。特に2.0L 2WD車(電子制御5AT付き)に標準装備されたi-stop(以下アイストップ)は、燃焼エネルギーを利用することで、エンジンの再始動時間が一般的なアイドリングストップの半分の約0.35秒を達成し、エンジン停止時・始動時の振動や騒音を抑えることで違和感のないスムーズな操作性を実現しています。


 ●2.0L直列4気筒DOHC DISI(直噴)エンジンの特徴(写真2)

 素早いエンジンの再始動と優れた操作性を持つ独自のアイドリングストップ技術アイストップを持つ直噴(筒内直接噴射)エンジンで、シリンダ内に霧状のガソリンを直接噴射して、その気化潜熱でシリンダ内の温度を下げる筒内冷却効果でノッキング(自然着火)を抑え、高圧縮比(11.2)を実現しています。
  そして直噴システムとアイストップで、日常の運転で力強さを実感できる低中速域のトルクアップと優れた燃費性能を両立し、最高出力110kW(150PS)/6200rpm、最大トルク186Nm(19.0㎏m)/4500rpmを発揮します(図1)。
 なお10・15モード燃費は16.4㎞/L(JC08モード燃費14.8㎞/L)を達成しています。



 ●アイドリングストップシステム「アイストップ」の作動

 赤信号や渋滞などでドライバーがクルマを停止させると、エンジンが自動的に止まり、再び発進するときにエンジンが再始動することで燃料消費量を削減するシステムです(図2、3)。
 従来は、スタータモーターだけでエンジンを再始動していましたが、このアイストップでは、停止中のエンジンのシリンダ内に燃料を直接噴射することで爆発を起こしてピストンを押し下げて再始動します。
 事前にエンジン停止位置制御を行っているので毎回エンジン停止状態から燃焼による再始動ができるようにしています(図4)。 しかも再始動のごく初期の回転をスタータモーターで補助することで、燃焼力のみでの再始動よりも燃料消費量を低減します。
 この世界初の独自の技術によって、アイストップ搭載車は初代モデルの2.0Lエンジン比較で、燃費を約15%向上しています。
さらにアイストップは、静かでスムーズで素早い再始動ができます(従来システムの約半分の時間の0.35秒)。
 また急傾斜の路面や交差点でハンドルを切って停止しているとき、エアコンで室温の保持に大きな影響が出るときなどはエンジンを止めないようにします。

 


 ●楽しみながらエコドライブ

 マツダが掲げる「サステイナブルZoom-Zoom」の取組みの一環として、ユーザーのエコドライブを支援する3機能のアイテムを採用しています。

①エコランプ:アクセル開度、車速などから効率のよい運転状況と判断すると、メーター内にエコランプが点灯し、ドライバーにエコドライブを促します(全車に標準装備。図5)。

②エコドライブ判定:1回のドライブ全体に占めるエコランプ作動時の点灯割合をドライブ終了時(イグニションOFF時)または運転中にマルチインフォメーションディスプレイ(MID)画面に表示します。4色のリーフ(葉)のグラフィック(緑、水色、黄色、赤)で診断結果を表示してドライバーに対してエコドライブへの動機付けに貢献します(MID搭載車。図6)。

③アイストップモニター(植林モニター):アイストップによるエンジン停止時間に基づいて運転パターンが燃費向上にどれほど貢献しているかを木を育てるグラフィックでMIDに表示します(図7)。

 初期状態では、モニターに木の芽が表示されており、アイドリングストップしていた時間に応じて、芽は若葉へ、若葉は若木へ成長していきます。累計で約8.4時間になると成木になるというものです。アイドリングストップ時間そのものの表示と合わせて省資源への貢献をビジュアルとして体感できます。

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