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環境性能割が廃止へ ユーザー負担は本当に軽くなるか?
環境性能割は、消費税が8%から10%に引き上げられた19年10月、それまでの「自動車取得税」に代わって導入された。自動車業界は取得税が消費税との二重課税だとして廃止を求めたが、名称を変えて存続してきた。 その「岩盤」が崩れたのは、"自民党一強"だった政治体制が大きく動いたためだ。25年夏の参院選挙で少数与党となった自民党は、野党の意見に耳を貸さなければ政権運営ができない状態となった。さらに、連立の相手が公明党から日本維新の会に変わったことも大きな変化だった。こうした政治の変化を背景に、ガソリン暫定税率の廃止に続いて、実現は難しいとみられてきた環境性能割の廃止が決まり、自動車業界にも驚きが広がった。降って湧いた衆議院の解散総選挙により、実施時期は先延ばしになる可能性はあるが、基本的には恒久廃止となる。
今回の税制改正論議が始まった当初、自民党はトランプ関税によって業績が悪化している自動車業界を支援するため、環境性能割の「2年間停止」という方向で固まっていた。しかし、高市首相と国民民主党の玉木雄一郎代表が会談し、税制改税大綱がまとまる直前になって廃止が決まった。連立を組む維新が議員定数削減で自民に一歩も譲らない中、有力野党である国民民主の要求を呑むことで、政権運営を少しでも安定化させたいという思惑があった可能性がある。 いずれにせよ、環境性能割の廃止によってユーザー負担は軽くなる。期待されるのは、新車需要がかつての規模を取り戻すことだ。25年の新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)は、前年比3.3%増の456万5777台と2年ぶりに増加したものの、コロナ前までの500万台レベルを依然として大きく下回っている。 増加したのもダイハツ工業が認証不正から回復した効果が大きい。車種別で見ると、登録車ではトヨタ「ライズ」(前年比96.9%増)、同「ロッキー」(同40.7%増)、軽自動車ではダイハツ「タント」(同32.9%増)、同「ムーヴ」(同191.3%増)と、いずれもダイハツが生産する車種だ。ダイハツ車の回復効果が一巡すれば、再び新車販売は停滞に転じる可能性がある。
さらに、25年9月以降は米国への輸出に15%もの高関税がかかるようになり、日本から米国への輸出採算が悪化している。自動車メーカーにとって唯一の救いは、為替の円安ドル高が続いていることだけだ。 日本は米国のようにIT(情報技術)や人工知能(AI)といった新しい産業で世界をリードする状況にはなっていない。自動車は依然として日本の基幹産業であり、国を挙げて自動車産業を支援しなければ、日本の経済力を維持することも難しくなる可能性がある。特に、電気自動車(EV)やSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)、自動運転といった新しい技術で世界にキャッチアップすることが重要だ。新技術を母国市場で普及させることが国際競争力向上にどれだけ重要なのかは、中国を見れば明らかだ。その意味で、税制の見直しによって、新車需要を活性化することは、新技術の普及を進める上でも必要なことだ。
環境性能割の廃止は自動車購入時の税負担を軽減し、新車の需要拡大につながるとの期待が大きい。一方で、道路の整備費用などは、「受益者負担」観点から、自動車ユーザーが負担すべきという考え方が当局には根強い。自動車業界は引き続き、税制論議の行方に注意を払う必要がありそうだ。 |
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