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5月の登録EVの販売が大幅増 今後の見通は?


5月の登録EVの販売が大幅増 今後の見通は?

電気自動車(EV)の国内販売が上向いている。2026年5月の登録車のEV販売台数は前年同月比3倍と急拡大した。輸入車に加え、トヨタ、日産の台数が増加。ホンダの新型EVも純増となった。EVは世界でも販売が回復しており、中東情勢次第では、さらに需要が高まる可能性がある。一方、補助金頼みの状況は変わらず、本格的なEV時代の到来となるかは依然、不透明だ。

日本自動車販売協会連合会(自販連)のまとめによると、5月の登録EV販売台数は8957台(前年同月は2848台)だった。登録乗用車全体(18万7486台)に占めるシェアは4.8%まで上昇した。

国内の登録EVの販売台数はこれまで輸入車中心で推移してきた。ところが25年10月以降、トヨタがそれまでの月間数十台レベルから1000台レベルに大幅に増加。26年に入ると同2000台前後のペースで推移し、5月は2168台と前年同月の34倍に達した。他メーカーも、日産が前年同月比4倍の1489台、スバルが13倍の293台を販売。ホンダの新型EV「スーパーワン」の登録台数も1736台となった。これら国産EVの台数は輸入EV(3271台、前年同月比36.3%増)の1.7倍と急増している。

登録車市場に占めるシェアも上昇している。これまでは1%台で推移してきたEVシェアは、26年に入り2%台後半となり、3月には4.2%にまで高まった。軽乗用車を含めた総市場に占めるEVのシェアも3.5%と過去最高になった。

国産EVの販売が増加している要因の一つには、トヨタや日産がEVの価格を引き下げていることがある。トヨタは25年に「bZ4X」を一部改良し、廉価タイプの価格(消費税込み)を70万円引き下げて480万円からとした。日産も「リーフ」を改良し、先代よりも航続距離を延長しながら価格を引き下げた。ガソリン車やハイブリッド車に対しEVは価格が高いことが購入を妨げる要因の一つになっている。車両価格の引き下げがEVユーザーの増加につながっているとみられる。

もう一つは国の補助金の引き上げだ。26年1月から国産EVへの補助額はおしなべて増加。bZ4Xの場合、25年までの90万円から130万円に、リーフも89万円から129万円へそれぞれ40万円の増額となった。スバルの「ソルテラ」も同様に68万~88万円から88万~128万円に増額された。またトヨタの場合、世界的に需要が高まっているHVの納期が長期化していることを背景に、EVの販売を強化している面もあるとみられる。

一方で軽乗用EVは不振だ。日産「サクラ」の5月の販売は前年同月比64.7%減の303台、三菱自動車の「eKクロスEV」は同76.5%減の20台といずれも振るわなかった。軽EVへの国の補助金は最大でも58万円であるため、登録EVに比べ相対的な割安感が小さくなっていることも要因とみられる。

EV市場は世界的に成長が続いている。欧州(31カ国)では、一時期、需要が鈍化したものの、再び増加基調に転じ、25年は前年比29.7%増の258万5187台を販売した。総市場に占めるEVのシェアは19.5%にまで上昇した。欧州ではドイツなど主要国が補助金を復活させており、26年も1~3月の累計では前年同期比26.2%増、EVのシェアは20.6%に上昇している。

世界最大のEV市場である中国では、引き続きEVの生産を拡大しており、特に輸出が大幅に増えている。25年の輸出台数は前年比21.1%増の709万台で、このうちEVは164万台(同66.7%増)だった。欧州のほか東南アジア、中近東などへの輸出が増加しているとみられる。

日本でも中国製EVの輸入が始まる。26年7月には比亜迪(BYD)が軽乗用EV「ラッコ」を発売する。また27年には、奇瑞汽車(チェリー)が出資する合弁会社が日本に中国製EVを輸出し、オートバックスセブンが自社の店舗網で販売する計画だ。中国製軽EVは安さを売りに攻勢をかけてくるとみられ、国産の軽EVがどう戦うかも注目されている。

EVを巡る外部環境は今年大きく変わった。米国とイスラエルから攻撃を受けたイランが、ホルムズ海峡を事実上、封鎖。原油の輸出が滞っており、全ての石油化学製品が値上がりもしくは不足する事態となっている。

日本では補助金でガソリン価格の上昇を抑えているものの、不安定な原油供給が長期化すれば、補助金が縮小し、ガソリン価格が上昇する恐れがある。そうなればEVの経済性が注目され、販売に拍車がかかる可能性がある。一方、27年1月からは、国産の登録EVの中でも補助額が減額される車種も出てくる。足元で好調なEV需要だが、補助金と原油価格に左右される不安定な状況が続きそうだ。

 




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