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VOL.17  バンパー補修作業のススメついて

1. バンパー簡易補修
「簡易補修」と書きましたが、これは、わが社でのクイックのバンパー補修の呼び方です。こうした作業名にしているのは、適当な言葉がみつからなかったためです。聡明な読者の方々は、別の名称等で呼ばれる方もいると思います。

呼び方は、「簡易補修」ですが、決して簡易的な作業は行なっていません。通常の作業と同じ工程と材料を使って、作業を行なっています。

早い時間で、終わらせるために、作業工程を省いたり、粗悪な材料を使たりして、仕上がりの悪い車仕事では、絶対にリピーターは着ませんよね。安かろう悪かろうでは、お客さまのニーズを満足することが出来ません。
むしろ既存のいい材料と、道具を上手に使うことで、早くて綺麗な仕事ができるはずです。その考え方は以下になります。

(1) なるべく素材のままでの作業を行なう
大抵のバンパーは、かなり厚みがあり、擦り傷や多少のゆがみ等の簡易補修では、熱変化での作業と、サンダーでの削り込み作業で、大抵は整形できてしまいます。こうした作業方法は、皆さんも行っていることと思います。
このような作業を行なえば、バンパー専用のパテやプライマーなどを使わず、原価もほとんどかからず、また、パテの乾燥時間分の時間短縮もできます。

(2) 作業にあった研ぎかたとサンダーとペーパーの使用
当社では、時間短縮するために削り込みや、整形を行う時は、なるべく手での削り込みは行ないません。機械が入らない場合は別ですが、作業にマッチした、サンダーとペーパーを使用します。こうしたことで素材自体に、無駄な傷をつけず、作業範囲を小さくすることができます。
実際に、国際規格のP番手の同じ粗さペーパーを使っても、手作業でつけたペーパー目より、サンダーを使用した場合のほうが、細かいペーパー目になります。感覚的には、倍近い目の違いがあるように思われます。そして当然に、時間短縮にもなります。
わが社では、サンダーは2種類しか使いません。
ルペスの125パイ(写真1)と150パイ(写真2)のサンダーのみです。このサンダーは、速度調整ができ、トルクがあり、素材自体の熱が他のサンダーより、抑えられるように思われます。

使い分けは、作業する範囲と内容で使い分けています。ポイントは、絶対に集塵機で、削り粉の吸い込みを行ないます。なるべくペーパーに、粉を付着させないようにし、ペーパー自体の能力の低下を抑え、能力を存分に発揮させます。吸い込みをしないと、ペーパーのからみなどがおき、寿命が短くなってしまい、変な傷ができてしまいます。

そしてなるべく、新品のペーパーを使用し、時間短縮をし、使い古しのペーパーは、手作業用等にとっておきます。

ここが味噌になりますが、最終の研ぎ番手のペーパーを専用のもの(メーカー名 ミルカ 製品名 アブラネット  写真3 )を使用し、バンパーの毛羽立ちをなくします。わが社では、サーフェーサーの足付け番手の関係で、320番を使用しています。





(3) サーフェーサー(写真4)の選択
この材料の選択は、大変重要です。傷の取り残しを防いだり、多少の整形ができるものが使用できれば、パテなどを使わなくてすみますし、はがれの防止にもなります。そして、熱硬化型の材料を使用できれば、時間短縮と時間の管理にもなり、塗膜のトラブルの防止にもなります。そのためにも必ず適正の軟化材を使用します。

(4) 時間管理のできる塗料を使用する
最近の塗料のトップコートは、確実な熱と時間の管理を行なえば、短時間で硬化します。最短で15分のものもあり、長くても30分で乾燥します。このようなトップコートを使用しないと、クイックな作業は絶対にできません。また、ぼかし作業を行なうことで部分補修を最高級な仕上がりに見せることが必要です。この条件に、マッチする塗料は、一般的に外資メーカーのものが多く、わが社ではRM(写真5)を使用しています。

(5) パネルラインを上手に使用する
簡易補修は、あくまで部分塗りです。ですが高品質な商品を提供してクレームを防止するためには、目立ちにくいライン(写真6)を使用し、ぼかし作業を行ないます。目線や、屈曲を利用し、言葉は適切ではないですが、人間の目を適度にごまかすことが、上手な塗装ではないでしょうか、その原点がここにあると思います。ですから、パネルラインを上手に使うためにも、前記2及び3の作業時に、傷の肥大化を絶対にしてはいけません。


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