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ホンダ、3チャンネルを1本化、08年秋に「アキュラ」導入


 ホンダが、国内販売体制の変更を発表した。現在の「クリオ」「ベルノ」「プリモ」の3チャンネルを、06年3月に一本化し、新たに「ホンダ」店を立ち上げる。また、08年秋には「アキュラ」ブランドを導入し、100店舗で営業を始める。国内販売が低迷し、ミニバンやコンパクトカーなどの併売車種が増えても、3チャンネルを維持してきたホンダ。「フィット」が爆発的に売れてからは、国内販売100万台の達成を目指した時期もあったが、新車市場がもはや、これ以上は拡大しにくいと見られるなか、チャンネル統合に踏み切った。
 他メーカーでは、すでに、販売チャンネルの統合を行ってきた。日産自動車は、99年に発表した、経営再建策「日産リバイバルプラン」で、4チャンネルを「ブルーステージ」「レッドステージ」の2系列に統合。さらに、05年4月には全車種をブルーとレッドで併売化し、事実上の1チャンネルとなっている。
三菱も「プラザ」「ギャラン」を統合し、三菱店へと一本化した。マツダは、「マツダ」「マツダアンフィニ」「オートザム」という、チャンネル名は残しているものの、軽を含む、ほとんどの車種を併売にしている。1ブランドで複数チャンネルを維持しているのは、トヨタ自動車だけとなる。
 ホンダにとって、3チャンネルの一本化で最も難しかったのは、プリモ店の扱いだったと見られる。プリモ店は、ほとんどが、二輪店や業販店が母体で、販社の規模が小さい。ベルノやクリオとまともに競合すれば、拠点数やスタッフの数が少ないプリモ店にとっては厳しい。
販売車種の9割がすでに、3チャンネル併売となっていたホンダだが、プリモ店専売の軽自動車だけは、ホンダは最後まで併売にしなかった。今回、軽を含め全車種併売とし、さらに1チャンネルへと、一気に体制を変更することで、ホンダ販売店間の競争が加速。販社の統廃合や拠点の再配置が進むと見られている。
一方、アキュラでは、高級スポーツモデル「NSX」の後継車種を頂点とした、商品ラインアップを計画している。NSX後継車には、V型10気筒エンジンを搭載。スポーツ性能や環境性能を高次元で両立するモデルとなる。ホンダは、NSX後継を含め、5車種程度を、アキュラブランドとして投入する見通しだ。
 ホンダは、アキュラについて、トヨタの「レクサス」とは異なる路線を追求するとしている。レクサスが『高級』であるのに対し、ホンダは、アキュラブランドを、『スポーツカー』のブランドとして確立させる考えだ。トヨタが日本にレクサスを導入した狙いの一つには、レクサスというブランドを、もう一度強化したいという思いがある。一方、ホンダは、北米で育てた、アキュラのコンセプトを、そのまま日本に移植する。高級かスポーツかというアプローチは異なるが、トヨタもホンダも、高価格帯でのビジネスの成功を狙っている。
 日産の「インフィニティ」導入も、時間の問題となるだろう。日産は、05〜08年度の中期経営計画「日産バリューアップ」の期間中、インフィニティは導入しないとしているが、08年度以降の導入に向けた準備は着々と進めている。4月の全車種併売化に続いて、連結52販社の、資産管理部門を分社化し、06年7月に設立する資産管理子会社「日産ネットワークホールディングス」に統合すると発表した。
この手法については、目的や効果がわかりにくい、という業界関係者が多い。ただ、連結販社の業績は、販売実績だけが反映されることになり、それぞれの販社の実力が試される。日産は、販売実績を見極め、拠点の統廃合を進めていくと見られる。メーカーの連結販社は、もともと大都市部に多い。このため、日産では、インフィニティ導入時の店舗ロケーションを視野に入れた、拠点配置の見直しが行われると見られる。


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