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人とくるまのテクノロジー展 2006


  6月24日〜26日 パシフィコ横浜において、「人とくるまのテクノロジー展2006」が開催された。

自動車技術会の春季大会に合わせて1992年から毎年開催され、今年で15回目となる。自動車関連の最先端技術が集結する展示会として注目され、今回の出展は過去最高の354社(854小間)で、国内外の車に関する技術が一堂に会するビッグイベントである。

主催は社団法人自動車技術会。


今回の自動車技術会の企画として取り上げられていた「ASV-3」「ドライブレコーダ」、そして「最新自動車技術ゾーン」は、まさにこれからの自動車業界の方向を示している。


一般にも関心の高い「ドライブレコーダ」のコーナーには多くの人が熱心に各メーカーの説明を聞いていた。

きめ細かいドライビング指導や管理、事故防止はもちろん、燃費の削減を実現するために、画像やグラフを駆使した解析方法が、視覚的にもわかりやすく表示されていた。

9社から製品と説明パネルが展示されている。

  ASV-3は、会場外のピロティに車を配置し、大型モニターを使って説明をしていた。

ASV(Advanced Safety Vehicle)とは先進安全自動車、つまり、エレクトロニクス技術などの新技術により、安全性を格段に高めること、利便性の向上を図ることを目的に自動車の高知能化を図った自動車のこと。

ドライバーによるミスを未然に防ぎ、死亡事故、重傷事故件数を減らすことを目的に、国土交通省が平成3年より進めてきたプロジェクトで、現在は第3期。先日の18日に、「第3期ASV推進計画成果報告会」が東京国際交流館にて開催され、平成18年度より、5年期間で第4期推進計画が発表されたことで、より注目されている。


展示では、7種の事故パターン(「右折自動車衝突」「出会い頭衝突」「歩行者衝突」「正面衝突」「追突」「左折自動車衝突」「車線変更自動車衝突」)に分け、実車で解説していた。


日産自動車、ヤマハ、トヨタ、マツダ、ホンダ、日野、いすゞ、スズキ、富士重工、三菱自動車より提供されていた。

搭載型(自律検知型運転支援システム)と通信技術(路側情報利用・情報交換型)によるASV技術がわかりやすく見ることができた。


「最新自動車技術ゾーン」では、主に人間工学分野がクローズアップされていたように感じた。
バイワイヤ技術やHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)などもよりドライバーの快適さや居住性の重視が感じられ、技術が実用段階にきていることを実感した。

筋肉負担の軽減や血液循環の促進を促すシートや、顔認証、まばたきや心電測定でドライバーの状態を検出する技術、ドライビングシュミレーターやASV-3を体験できる安全実験車、高機能ナビゲーションシステムやオペレーターサービスなど、すでに実用されているもの、もうすぐ実用されるものなどが体験できるようになっていた。
人気の体験機は2〜3時間待ちであったが、それでも乗ってみたいと思うものが多かった。


←スズキ:バイワイヤ技術により運転席の移動が可能に。なんと車輌の中央で運転が可能!
また、低速における取り回しのよさと拘束における安定性を両立する車速感応ステアリングを容易に可能とした。

また、人間工学に基づくHMIの思想を追求したインパネのディスプレイも。


←日産:カーウィングスナビゲーションシステム。ワンプッシュ操作でオペレーターに行き先を告げれば、時間帯による混雑などにも対応した最速ルートがわかる。

また、ステアリングスイッチと連動し、ボイスコマンドにより、走行中でもハンドルから手を離すことなく安全に操作できる。

Bluetooth対応なので、携帯電話もハンズフリーで通話が可能。


←トヨタの「VDIMシュミレーター」アクティブステアリング統合制御によりコーナーリングのなめらかさを体感。

→同じくトヨタの「プリクラッシュセーフティーシュミレーター」衝突の可能性をドライバーに知らせるシステム。


←三菱自動車の「タッチパットマルチコマンダー」
操作中に手元をみる時間が少なくなることにより、より安全性を目指したシステム。

ノートパソコンの操作に似ているので、抵抗感は少ないかも。


→ホンダの「四輪ドライビングシュミレーター」
安全運転教育や研究に使われているもので、これにより、「危険を体験」することができる。

安全性向上の研究にも使われるだけあり、コンパクトな中にさまざまな体験ができるようになっている。

隣は同じくホンダの「二輪ドライビングシュミレーター」

若い男性に大人気で、仕事を忘れて見入っている人も。


←日野自動車の「CAPSシュミレーター」

商用車に適応した予防安全、横転防止等の運転システム。
乗用車とは違う大きさ、車幅、高さの車輌の安全性向上システムが、シュミレーターにより体験できる。

会場の中でもこの形で目立っていた。
中に乗っている人の様子は上のモニターでわかるようになっている。


←富士重工の「車輌統合制御システムシュミレーター」

雪道などを走行中に生じやすいスリップやスピンの車輌挙動に対して、統合制御アルゴリズムによりブレーキ等の車載アクチュエーターを最適に制御する。

制御のあり、なしを体感することができる。


←デンソーの「ドライバアシスタンスシステム」

ドライバーの顔画像から瞬きを検出し、その変化から眠気などによる不注意状態を検出し、警報音を鳴らしたり、ドライバーの首元に冷風を送り注意を促す。
また、顔画像で個人を特定し、カスタマイズ設定された機能の復元など。今回はプリセットされたシート位置の復元。
その他、心電波計測表示やそれを車外に送信することも。


学生活動紹介コーナーでは、昨年9月に冨士スピードウェイ内で開催された全日本学生フォーミュラ大会に参加した同志社大学と横浜国立大学の実車展示。

同志社大学ではカウル成型に竹繊維を使用し製作。環境と実用の視点からの研究がされている。


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