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9月の新車登録が27カ月連続の減少に


 日本自動車販売協会連合会が発表した9月の新車登録台数が27カ月連続のマイナスになった。軽自動車も6カ月連続のマイナスとなり、新車販売の低空飛行が続いている。新車市場低迷に自動車メーカーは「魅力ある商品を出せていないメーカーの努力不足」を挙げるが、人口の都市集中、若者のクルマ離れなど、構造的な問題が大きいと指摘される。トヨタ自動車は、市場低迷を打破しようと、6月から積極的な新車攻勢に打って出ているが、9月は再びマイナスに転じた。
 9月の新車登録台数は、前年同月比9.5%減の32万8363台となった。メーカー別では、三菱自動車、スズキを除き、全メーカーがマイナスだった。トヨタは8月に12カ月ぶりに前年同月を上回ったものの、9月は同4.3%減の13万5994台と、再びマイナスに転じた。
登録車市場の1月からの累計は、前年同期比9.6%減の263万1612台。三菱とスズキを除くメーカーが前年同期を下回っている。06年の登録車市場は371万台で2年連続のマイナスだった。今年は年間の4分の3を終えた時点で、前年同期を1割近く下回っており、年間で4年連続のマイナスとなるのは、ほぼ確実だ。また、市場規模は350万台を下回り、340万台前後の水準に落ち込む可能性も高い。
一方、軽自動車市場も4月以降マイナスが続いている。06年が過去最高の202万台となった軽自動車は、今年は商品投入の谷間となり、当初から前年割れが予想されていた。スズキが国内生産能力を、輸出向け小型車に振り向けていることも背景にある。来年以降、スズキとダイハツのシェア争いが復活すれば、再び軽市場が膨らむ可能性がある。
軽の前年割れが想定通りなのに対し、登録車の不振ぶりは際立つ。トヨタ、日産、ホンダといった主要メーカーが揃ってマイナスを続けている。トヨタの1−9月の販売累計は、レクサスブランドを含めても、前年同期比8%減の119万7992台に止まった。07年の販売台数計画は172万台だが、10月以降プラスを続けても、年間で昨年実績の169万台を上回ることは難しい。
トヨタのレクサスを含む販売は、8月に12カ月ぶり増加に転じ、新車効果で9月も増加が期待されていた。しかし、フタを開けてみると、稼働日が昨年より2日少なかったことが大きなマイナス要因になり、再びマイナスに転じた。特に月末の稼働日が少なかったことが大きく影響したという。
とはいえ、トヨタは6月以降「プレミオ/アリオン」「ヴォクシー/ノア」「イスト」と、相次いでフルモデルチェンジを実施。8月末には、SUVの新型車「ヴァンガード」も投入している。また、レクサスブランドではフラッグシップモデルの「LS600h/L」を投入している。登録車市場で4割以上のシェアを持つトヨタが、これだけの新車を投入しながら、稼働日2日程度の減少で前年を超えられないという状況が、需要の勢いのなさを表しているといえる。
 新車販売の低迷は、保有台数の変化にも表れている。自動車検査登録情報協会が8月にまとめた07年3月末時点のマイカー(自家用乗用車)普及台数(登録車、軽自動車)は1.107台と、前年同期より0.005台減り、初めて減少に転じた。自家用乗用車の保有台数が0.7%増の5723万台だったのに対し、世帯数が同1.2%増の5171万世帯と、世帯数の増加が保有の増加を上回ったことによるものだ。マイカー保有台数は、軽自動車が前年同期比6.5%増の1528万台と8年連続増加したのに対し、登録車は同1.2%減の4195万台と2年連続で減少しており、新車販売の状況が保有にも現われている。
同協会によると、マイカー保有台数は90年〜97年まで年間200万台前後で増加していたのに対し、2003年から06年までは年間80〜90万台に落ち込んでいる。保有が急速に減少すれば、車検や点検といった保有ビジネスでさえ、顧客獲得競争が激しくなる。2年以上続く登録車市場の前年割れがどこで止まるのか。自動車メーカーは国内の需要動向を一段と注視する必要がある。販売業界の調整局面もまだ続きそうだ。




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