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登録車市場が2カ月連続プラス―国内市場は底を打ったのか?


 日本自動車販売協会連合会が発表した11月の登録車新車販売台数が、2カ月連続で前年同月を上回った。6月以降、メーカー各社が相次いで新車を投入した効果が現われてきたようだ。7月に発生した新潟県中越沖地震がなければ、もっと早くプラスに転じていたという見方もある。

自動車業界としては、ようやくマイナスのスパイラルから抜け出すことができたわけだが「マイナスのマイナスのマイナスということが避けられただけであり、これをもって市場が回復に転じるとはいえない」(トヨタ自動車)。むしろ「人口減少の影響が出てくるのはこれから」と、業界は国内市場に対する厳しい見方を変えていない。「業界を挙げた取り組みが必要」との認識だ。

 日産自動車が東京モーターショーで公開した「GT-R」。日産ブースは多くのファンで埋め尽くされ、一般公開初日は、予定していた演出も中止した。自動車への関心が薄れたと言われるが、GT-Rへの熱気を見る限り、決してそうとばかりとは言えない。

 国内の新車(登録車)市場は、10月に28カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じた。トヨタが「ヴォクシー/ノア」など、6月以降、毎月1台のペースで新車を投入。マツダは「デミオ」、富士重工業は「インプレッサ」のフルモデルチェンジを行った。軽自動車の新車投入がなかったこともあり、登録車が盛り返した格好だ。

 さらに、ホンダの「フィット」が6年ぶりにフルモデルチェンジを迎え、11月は早くも車名別ランキングのナンバーワンに。地球環境をテーマにしたテレビCMもメッセージ性があり、フィットは好感を持って受け入れられているようだ。

 12月は、ホンダの新型「インスパイア」、富士重の新型「フォレスター」が発表される予定。さらに軽では、ダイハツ工業が新型「タント」を月内に発表。これに対抗する新型車を、来年早々にスズキが発表する予定だ。

 軽自動車市場では、06年度に続き、07年もダイハツが念願のシェア1位を獲得する見通し。来年は再び、ダイハツ対スズキのシェア争いが激しくなりそうだ。

 登録車市場は、相次ぐ新車投入により、ようやくマイナスのスパイラルから脱しつつある。ただ、需要の縮小がこれで止まったと見るのは時期尚早だ。これからの日本は人口減少時代に入る。耐久性の向上で代替期間が延長していることが、このところ新車が売れない主な要因のひとつと言われる。人口という保有母体が縮小していく市場はさらに厳しさが増す。

 ホンダが「アキュラ」の国内投入を2年間遅らせたのは、予想以上に国内市場が減速しているためだ。人口減社会に国内メーカー各社がどれだけ経営資源を投入していけるものなのか。

 日産、ホンダは販売チャンネルを一本化し、国内販売のボリュームが一段と減少している。トヨタの怒涛の新車攻勢もあり10月、11月は、トヨタの登録車シェアが初めて50%を超えた。だが、こうした状況は、トヨタにとっても決して良い状況とはいえない。

 トヨタの今年の販売台数は、年初の計画に届かず前年実績の169万台も厳しい状況。10月には「160万台の半ばを目指す」と渡辺捷昭社長が表明し計画を下方修正した。同社は登録車市場の前提を360万台としたが、11月までの状況では結果的に350万台を下回る可能性もある。

 トヨタは「クルマのライバルはクルマではない」とし、市場活性化プロジェクトチームなるものを社内横断的な組織として立ち上げた。長期的な視野で市場活性化に取り組む。

 東京・お台場で12月1、2日開催した一般向けの無料の大規模試乗会「ドライブ王国」もそのひとつ。2日間の試乗者数は1万3000人に達し、同社としては成功だったと評価している。

 横浜市港北区に開設した大型商業施設「トレッサ横浜」は、トヨタとしては国内3カ所目のオートモールとなる。神奈川県内のトヨタ販売店、ダイハツ販売店が、新しい売り方にチャレンジする。

 自動車の需要減退の要因は、大手メーカーが売れる車ばかりをつくってきたから、というメーカー責任論もある。売り方の工夫や、車に触れてもらう機会をつくることは重要。だが、それにも増して、メーカーのエンジニア自身が欲しいと思うクルマを、いかに商品化していけるかもメーカーにとって重要な課題になる。




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