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VOL23  外板パネル修理の基礎知識  その2

2. 絞り作業
ハンマリングでの作業後に高くなってしまった部分を、絞り作業で慣らします。作業としては、
1. ガス溶接機を使っての絞り
2. スタッド溶着での銅絞り
3. カーボン電極での絞り
以上の3つが、標準的な絞り作業だと思います。
これも個人的な考えですが、カーボン電極での絞り作業はお勧めしません。理由は接触した部分の腐食がその他の絞りより多くなるからです。また歪みも多少多くでるように思われます。

ガス溶接機での絞りは、極力火口の小さいものを使い、お灸する部分の大きさは、
1.5センチ程度の大きさで、お灸をします。その部分をピカピカのハンマーで叩き、濡れぼろ等で、急冷します。ポイントはこれしかありません。その他ポイントとして強いてあげれば、火の管理と、当てる距離です。

スタッドでの絞りについては、ポイントなどほとんどありませんが、高い部分の見極めと、回数の低減、ここだけがポイントだと思います。

かなり乱暴に1.及び2.を書きましたが、結局「叩き作業」は、経験と見極めがかなりのウェートをしめ、作業の良し悪しが決まってしまいます。ですが、上記に書いたような、細かい基本的な部分を押さえることにより、作業量の低減を図れると思います。また前回にも書いたように、十分な道具の手入れと、道具の種類、それも大変重要です。

最後に、裏技を一つ披露します。
先日、新型のトヨタ ヴォクシーのスライドドアの修理をしました。他の作業者を押しのけ、新しい物好きな私が作業を担当しました。ドアの真ん中やや下部をポール等で、こすってしまった傷でした。ハンマーでの叩き作業でも、スタッドでの引き出し作業、どちらでも選択できる損傷でした。今回はスタッドでの作業を選択しました。
理由はパネルが薄くドリーでの押さえが、上手に行える確率が少ないように感じたからです。

引き出し作業後、スケールで測定し、絞り作業がいらないことを確認しましたが、最近のパネルに多い、平らな部分のペコペコ(ドラミングの一種でしょうか?)がでていました。
私の会社では、スタッドでの裏焼けは、100%に近くないので、絞りをどのようにするか考えました。結局行った作業は、ガスでもなく、スタッドでもなく、サンダーで塗膜に熱をかけて剥がす作業をし、その後急冷しました。その程度の熱入れと、急冷でパネルの遊びは、完全になくなりました。

自己満足かもしれませんが、この作業により、パネルの熱変化や、錆びの問題は完全になくなります。新車でまだまだお客様は使用するはずです。ですから、この選択と作業は、間違っていないと思います。
邪道と思われる方も居るでしょうが、このようなトンチや知恵が絶対に必要になってくるはずです。

鈴木 一也 氏(鈴木オートサービス代表)



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