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第2回 安定性と俊敏な走りを両立したスバル「新DCCD式AWD」
発売後2度目のマイナーチェンジを行った「スバルインプレッサ」は、フロント周りの大幅な改良と、エンジントルクのパワーと、安定的な走りのための電子制御式AWDシステム「DCCD」を追加して新たな魅力を加えた。


 富士重工業?は、「スバルインプレッサ」の最もスポーティグレードである「WRX STi」シリーズに新開発のDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)を採用しました。これは4,5,6速のシンクロ表面にカーボン材を焼結して機能を強化、シフト操作力を低減してフィーリングを向上させた6速MT後部に内蔵されています(図1)。新開発のDCCDは,前後トルク配分制御を緻密に行う従来の電磁式LSD(リミテッドスリップデフ)の特徴を生かしながら機械式LSDの追加をはじめとするDCCDシステム全体の改良を施したものです。



図1】インプレッサWRX STiの6速MTには新型DCCDが内臓されている。


 ●新DCCDの構造と作動

 その構造部品図を図2に示し、構造図を図3に示します。
 最も大きな特徴は、センターデフにトルク感応型の機械式LSDを組み込んだことです。これによりアクセル操作での車両の加減速とLSD締結のタイミングが、ほぼ完全に一致するので、動きがつかみやすくなって車両をより自在にコントロールする事ができるようになりました。

 また図4のシステム図に示すように横Gセンサとヨーレイトセンサなどに加えて舵角センサを追加したことです。これによって、ステアリング操作からドライバーの目標とする走行ラインを読み取り,実際の車両の挙動に応じて電子制御LSDが締結力を調整することによって、オーバーステアやアンダーステアを抑えてイメージどおりの、よりニュートラルなハンドリングを実現します。
   【図4】新型DCCD AWDのシステム図。舵角センサを追加したことでドライバーの意志が推測できる。

 さらに前後のトルク配分を35:65から41:59に変更したことです。これにより回頭性と旋回中のトラクションが高次元にバランスするので、舵の修正が少なくてすみ,より安定して速くコーナーを脱出できます。図5に新DCCDの入力と出力の流れを示し,図6にカットモデルを示します。また図7にDCCD(オートモード付き)の走行イメージを示します。わずかな応答遅れを解消し,前後のトルク配分比を変更するなど,さらに高度な前後トルク配分制御が自動的にできるようになっています。


【図7】DCCD AWDの走行イメージと制御マップ


 ●DCCDはマニュアルでも操作できる

 オートモードのほかに前後トルク配分を任意にマニュアル操作し,ドライビングの幅を広げられるコントロールダイアルが室内に設定されています。ドライバーが自らの意志で,前後輪へのトルク配分を変更することができるもので,より高度なテクニックを持ったドライバー向けの装備です。またサイドブレーキを引いたときは一時的にセンターデフをフリーにすることもできます。この前後トルク配分は,メーター内のインジケータで確認することができます。



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