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●軽自動車が仕入れ時
今「AA」に軽自動車の未使用車が溢れている。これから、ボーナスシーズンに入ることを考えれば、仕入れターゲットとして狙い目である。

因みに、3ヶ月前までは17年式ワゴンR―FXの平均落札額が85万円、17年式ムーブーカスタムXが同様に112万円であったものが、ここ最近では同年式のワゴンR―FXが5万円安の80万円平均で落札されているし、同年式ムーブーカスタムXも平均5.5%ダウンの106万円で落札されている。

こうしたことからも、今軽自動車が絶好の仕入れのタイミングである。なぜ、ここにきて軽自動車の未使用車の出品が多くなったかといえば、ご存知のスズキVSダイハツのトップシェアの争奪戦によるところが大きい。

ダイハツはご存知のようにトヨタのグループ会社であり、2007年度には創立100年を迎える軽メーカーのパイオニアである。そのダイハツに対して、トヨタが2007年度までに首位奪取を厳命したと言われている。

そのためにダイハツとしては、2005年度にはシェア30%以上の確保でスズキの背中を掴み、2006年度で一気に首位取りを狙う筋書きらしい(過去のシェアは、およそスズキが30%台前半、ダイハツが20%台後半となっている)。こういった状況が事実ならば、マーケットがどうであれダイハツ勢はガムシャラに数字の確保を狙うに違いない。

現場で出くわす面白い現象として、新車ディーラーに新車をオーダーすると『生産が追いつかないので1ヶ月待ちです』と言われるのに、オークションを見渡すと同車型の未使用車をたくさん見ることができる。要は、売り先が決まっていなくとも、とりあえず人気車を押さえておき、数字が足りなくなれば自社登録をかけてオークションや業販で捌くような環境になっているのではなかろうか・・・!?
私見ではあるが、このような状況を見ると消費者本位ではないなと思ってしまったりもする。

●この状態は憂慮すべきこと
様々な売り手の都合により大量の未使用車を作る。一瞬の商売で判断すれば「儲けのチャンス」と捉えることができるが、未使用車がマーケット(オークション)に大量に流出すれば、中古車の相場はおろか、新車の値引き額にまで悪影響をおよぼしかねないのだ。未使用車は、新車・中古車の双方に競争力を持ち合わせる産物なのである。

ここ最近では、軽自動車以外でもコンパクトカーの未使用車も見かけるようになってきた。トヨタのヴィッツ・イスト・パッソ、日産のマーチ・キューブ・ノート、三菱のコルト・コルトプラス、ホンダのフィット、マツダのデミオ等々・・・。ただし、軽自動車ほど大量に出回ってないので、まだ商売のネタにはなりやすいかもしれない。

話はシェア争いに戻って・・・極端な競争は、未使用車の大量発生を促し、それは最終的に中古車相場を崩し、新車の価値観を下げてしまうことになる。そういう観点からすると、メーカーの生産体制や販売体質を今一度考慮して欲しいと願うのは私だけではないはずだ。ただし、受注生産の確立などが進めば、「雇用」などの点にも大きく影響を与えかねないわけだから、せめて処分方法(オークションに出来るだけ未使用車を出品しないとか)や処分タイミング(一時期に大量に処分しないとか)は考えて欲しいものである。

●実利を取る仕入れ対策
こういうAA環境の中での仕入れ対策であるが、集客の一つとして未使用車は無視できないタマとして何台かの在庫は持ちたいところであるが、むしろ仕入れ担当営業マンとしては、もう少し違った角度から仕入れターゲットを判断すべきである。

独断と偏見ではあるが、未使用車・新車に比べそれなりに割安感のある「現行型中古車」が狙い目である。また、安価(込み30〜40万円)な低年式車をマメな仕入れと真摯なアフターサービスなどで薄利多売していくのもよいかと思っている。


比較的に動きが良いと思われるのは、50万円以内の軽の箱バンで、この当りは値持ちがよく多少長在化しても含み損が発生しにくいし、業販などでも逃げやすいので中古車に精通していない整備事業者の方などにもお勧めできよう。 

当然のことながら、こうしたクルマを販売するには「商品化」は絶対条件になる。商品化の基本は「きれい」である。お客様が一目見たときに「まぁ、きれい」というイメージを持ってもらうことがなにより重要だ。来店いただいたお客様に、「安い車イコール粗悪品」というイメージを持たれたら確実に長在車になる。間違いない!。
外観だけでなく、室内も同様だ。聞いた話であるが、夫婦二人で営業している小さな専業店でよく売れているそうだ。そのお店の売れているポイントは、「爪楊枝」を使って、隅から隅までホコリが完全に無くなるまで、徹底して「きれいに仕上げる」ことだという。タマに頼る商売ではなく、「タマ」を「商品」にすることが「差別化」の秘訣になることの証だ。 

                                           鎌田 明宏(TAX本部)





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